NCLにジョインしました

※本記事は2020年4月1日にnoteで公開した記事を再編集の上公開したものです

2020年3月31日付で株式会社Shiftallを退職し、本日4月1日から8年ぶりのフリーランスとなりました。

株式会社Shiftallを退職します – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2020/03/02/16728

しばらくは特定の業務にフルコミットするのではなく、工数の都合つく範囲内でいくつかのお仕事を並行で受けられたらな、と思っているのですが、そのうちの1つのお仕事として、縁あってNext Commons Lab、略してNCLに業務委託として参画することになりました。

”Next Commons Lab”は、さまざまな領域で活動するメンバーが集まり、 プロジェクトを通じて地域社会と交わりながら、 ポスト資本主義社会を具現化する議論と実行の場です。

Next Commons Lab
http://nextcommonslab.jp/

ポスト資本主義というとちょっと難しい感じですが、手がけている業務としてはいわゆる地方創生系で、現在日本で12拠点、台湾に1拠点の合計13拠点で、合計90以上のプロジェクトを展開しています。

Project | Next Commons Lab
http://project.nextcommonslab.jp/project/

きっかけは知り合いに誘ってもらったからという身も蓋もない理由なのですが、いろいろ話を聞くうちにこれは大変だけど面白そうだなと思い始め、わりとがっつりめに参画することになりました。以下長くなりますがNCLに興味を持った経緯。

地方創生への興味

東京生まれ東京育ちというのもあると思いますが、元々地方には興味がありました。食べ物もおいしいし地方独自の文化も興味深いし方言もうらやましいし。

あと自分の業務的にノートPCさえあれば大抵のことはできてしまうため、居る場所にあまり関係無いというのもあります。むしろ出張とかのほうが時間が細切れになるので、しっかり時間割立てて作業しやすいし気分転換もこまめにできたりというメリットも。将来的には東京離れて地方で生活したいなー、というなんとなくの願望もありました。

ただ、それはあくまで東京からの出張レベルだから成り立っているのであって、仕事をそのまま地方でやれるかというとそれはまた別の話。おりしも新型コロナの影響でリモートワークやビデオ会議の環境が普及しつつあることで今までよりはやりやすくなるのかなとおもいますが、そもそも地方そのものにビジネスがないと東京頼りになってしまって、地方でビジネスを回すのは難しい。

この東京一極集中をなんとかして地方でもビジネスが回るような状況にしないと日本の未来は危ういよな、というのは常日頃思ってはいたものの、具体的に何か行動に移すほどには至っていなかった自分にとって「地方創生」案件は新しい仕事としてとても興味深いお話だったので、詳しくいろいろ聞いてみよう、ということに。

ちゃんと事業が生まれている

ただ、地方創生そのものは非常に興味深い一方、実際の地方創生って正直なところそこまでいいイメージが今まではありませんでした。かなり偏った情報と視点ではあることをお断りした上で、地方自治体からそこそこお金をもらってプロジェクト立ち上げるけど期間終わったらおしまい、みたいな印象を持っていたのが正直なところ。

しかしNCLのプロジェクトはただプロジェクトを立ち上げるだけじゃなくちゃんと事業として成り立っているものがいくつもある。印象深かったのは遠野のビール事業。遠野はビールの原料であるホップの生産日本一であり、遠野のブランドをホップではなくビールにしようということでクラフトビール事業を立ち上げ。最近はコオロギを原料にしたコオロギビールが話題になったりしています。

【世界初】コオロギを原料に使用したクラフトビール「コオロギビール」を、昆虫食の『ANTCICADA』と『遠野醸造』が共同開発。3月15日〜18日、渋谷パルコにて限定販売が決定。|株式会社Join Earthのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000051705.html

先に事業案を作ってから人を募る

話を聞いていて面白かったのが、地方創生は事業をやりたい人を全国から集めるものの、プロジェクトの概要自体は先にNCLが立案しているということ。先の遠野醸造も、ホップの地だからビール事業を立ち上げよう、というところまで作ってからプロジェクトに参加する人を募集するという流れです。

このやりかた、とても日本人気質に合っているなと。日本人って全部一から始めるのは苦手だけど、ある程度決まっているものをよりよく改善していくことは得意な人が多い。学校の授業でも「この問題わかる人」というと手を挙げないのに先生が指名すると実は答えられるみたいな話に近くて、自分からはできないけどレールをある程度敷いておくと成果出しやすい、というのは日本人の新規事業としてとても相性いいのではないかと。

実際、遠野のビール事業もまずは概要を決めて募集をかけたところ、ファーストリテイリングや大手企業、リクルートからの応募があり、実際に今事業を回しているとのこと。詳しくは下記のインタビュー記事をお読みください。

3人の移住者がブルワリーパブ 「遠野醸造」をオープン。ホップの産地ならではのクラフトビールが生まれるまで | ココロココ 地方と都市をつなぐ・つたえる
https://cocolococo.jp/24556

先日、新プロジェクトのインタビューに同席させてもらったときに、代表の林さんが言っていた「スタートアップの経営者は突破力があるほうがいいといわれるが、NCLのプロジェクトは淡々と丁寧にやることが必要。起業家体質よりむしろサラリーマンみたいに着実に仕事できる能力が重要」という話がまさにそれで、破天荒に突き進むよりも一歩一歩着実に仕事できるほうが人材として求められるというのは、日本の人材を活用するにはとてもいい座組だなと思いました。

地方と東京をつなぐ

今回私が担当する主にプロジェクトは、JR東日本スタートアップとの共同プロジェクト「Way-Way」です。

[News Release] NCL x JR東日本スタートアップによる新プロジェクト始動 | Next Commons Lab
http://nextcommonslab.jp/archives/way-way-release1/

前述の通り地方創生は地方だけでビジネスしてもまわらない、だから都市部とつないで人材がお互いに行き来できる環境を作ろう、というのがこのプロジェクトのコンセプト。第1弾として福島県は南相馬市の小高駅を拠点にして、都市部と小高地域がつながる施策を展開する予定です。

小高駅は東日本大震災の影響で営業を休止していたのですが、2016年に営業を再開、その後2020年3月14日のJR常磐線全線開通に伴い駅が無人駅になりました。そこで元々使っていた局舎をリノベーションしてコワーキングスペースだったり、通学に駅を使う学生たちのコミュニティの場にしましょう、というプランを1つの柱としつつ、都市部と小高駅で移動する人たちの拠点としてビジネスを作りましょう、というのが大まかな概要です。

地方だけじゃまわらない、ちゃんと都市部をつなごうというのはすごく理解できるしとても正しい。しかも地方でのビジネス立ち上げに実績のあるNCLと、国内の移動インフラとして最強のJR東日本グループが協力して動かすプロジェクトというのはいろいろ面白いことができそうだという期待もあります。

JR東日本スタートアップは2018年に設立されたばかりなのですが、赤羽で実証実験したのち高輪ゲートウェイに導入された無人コンビニだったり、そば茹でロボットを東小金井に導入してみたりと、かなり面白いプロジェクトをいくつも立ち上げています。

eiicon×JR EAST STARTUP -JR東日本が、スタートアップとつなぐ未来-
https://eiicon.net/about/jrestartup/

【やじうまPC Watch】「そば茹でロボット」がJR東小金井駅に登場 ~4月15日まで実証実験 – PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1241136.html

今回のプロジェクトでも駅舎のリノベーションだけでなく、そもそも移動には時間とコストがかかる、そのコスト部分をなんとか削減できないかな、みたいな話も検討されていたりと、ちゃんと「都市部と地方をつなぐ」仕組みがいろいろできそう。リノベーションの舞台となる局舎も一度見に行きましたがかなりの面積でいろいろ面白いこと企画できそうなので楽しみです。

今後について

左記の通りWay-Wayというプロジェクトをメインにしつつ、他にもいくつかのプロジェクトにかかわったりしています。NCL自体ほぼ業務委託で構成されているので、ミーティングもオンラインが当たり前という意識で動いているのでフリーランス的にはとても仕事しやすいのもありがたい。

他にもいくつかの仕事を受けているのでNCLにフルコミットというわけではないのですが、割と地方系の仕事が増えそうではあるので、地方がらみのお仕事している人や地方でビジネスしている人とうまく絡んでいけたらなーとなんとなく思っておりますので、今後の展開を温かく見守っていただければ幸いです。

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